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☆成年後見業務に関する実務研修から…その①
(平成18年8月19日、20日と9月2日、3日の計4回開催。
司法書士は、普段よりこの様な実務者研修を重ねて
成年後見業務に関するより新しい情報をいち早く吸収することで
多数の方々の多様なニーズに対し、柔軟に対応できるよう日夜励んでおります!)

実務者研修会の主催者は
社団法人 成年後見センター・リーガルサポートです。
     
http://www.legal-support.or.jp/


受講して参りました!「成年後見夏期集中講座」!!
弁護士、医師、社会福祉士、リーガルサポートで成年後見業務
に従事されている司法書士の方々…
様々な専門分野の視点から
貴重なお話をたくさん聞くことができ
本当に有意義な研修を受けることができました。

この延べ4日間の研修を通じて
一番強烈に感じたこと…
それは…
「決して、成年後見制度は、高齢者を保護するだけのものではない!」
ということでした。

恥ずかしながら…この集中講座を受けるまで
私の「成年後見制度」に対する認識は
「自己の意思をうまく周りに伝達できない
認知症や知的障害に向き合う方々に
様々なサービスを提供して差し上げる…」
そんな一方通行な…言葉を換えれば
好意の押しつけを正当化するような認識でしかありませんでした…。

「成年後見制度」=自己決定を最大限に尊重し
人生の最後の瞬間まで
自分らしい生き方を貫き通していきたいと考える方々を
それぞれの専門職能域の立場からサポートさせていただく制度。

決して、目をつぶっていたら誰かが何かをしてくれる…
そんな、なまやさしい制度ではないということ!!
それを私たちがしっかりと世の中に伝えていかなければならないということ…
根本から考え方を改めさせられ、たくさんの課題を提供された…
衝撃的な4日間でした。

まずっ!!
1)ご自分の今後の人生をもう一度しっかりと見つめ直しましょう!
平成18年4月1日に介護保険法が大改正され、高齢者虐待防止法や
障害者自立支援法などなど様々な新しい法律の施行がありました。

ただ、これらの法律を前にして勘違いしてはならないこと!それは
「あくまでも、国や行政は、皆さんが自己決定に基づき選択した自己の人生を最後まで全うすることできるように積極的に支援する」というこであって
全てを他人任せにして生きるというこを正当化するものではない
ということです!

しかし…現実は、様々な課題が山積していて
活字で表現するようにはいかない…
そこで、社会的弱者の様々な不安要素を少しでも
安心に変えていけるようにわれわれ専門家集団が
法の理念にかなうような様々なご提案をしていこうと考えているわけです。

そこで…
2)行為能力、判断能力がしっかりしているうちに
もしもの時の備えもしっかりとしておきましょう


いつか人は死にます。その前に人は必ず老い、衰えます…。
しかし!人生は…生活は、死ぬまで続けていかなければなりません。
生活を維持するためには
様々な外部との交渉事が欠かせませんし
大事な選択をしなければならないことも多々ございます。
何もかもが、「自己責任の原則」に基づき、世の中は動いているのです…。

様々な事柄が、コンピューター化され、便利な世の中とはなりましたが
高齢者の方々にとっては…
複雑で、理解するのに困難を伴う世の中となって参りました…。
しかし、「自己決定の尊重」を確保して
意義深い人生を全うするためには、そんなことに負けてなんかいられません!

そんながんばるみなさんにご提案します。
☆任意後見契約、法定補助制度の利用の検討。
といいましても…やはりなかなかピンときませんよね。
成年後見制度には、大きく分けて
法定後見と任意後見があります。
制度の趣旨や具体的な内容については
上記成年後見センター・リーガルサポートのホームページ
じっくりご覧になられて、確認して下さいね。

いろいろな制度がある中で、
「まだまだ、そこらへんの若者には負けとらん!」という方々のために
将来の然るべき時に備えて
公正証書にて、一定の契約を交わしておき
その然るべき時…すなわち、認知症などに向き合うこととなり
成年後見の申立が行われ
成年後見監督人の選任により後見が始まるというのが
任意後見契約です。
通常は、その契約の際、見守り契約と財産管理等委任契約を併せて
成年後見開始前の日常生活においても
財産管理や身上監護に関して万全を期す形をとることも多いようです。
(これを移行型の任意後見契約といいます。)

また、補助とは、重要な財産行為は、ご自分でできるかも知れないが
できるかどうか危惧があるので、本人の利益のために
誰かに代わってやってもらった方が良いという人が対象で
家庭裁判所へご本人自身が申立てるか
ご本人以外だとご本人の同意を得て申立てるわけです。

どちらも「ご本人の任意的な意思に基づき・・・」で共通
「自己決定の尊重」、「権利擁護」の理念にかなう
画期的な制度であることは確かですし・・・
まだまだ、利用者はそう多くはありませんが
年々増加傾向にあることも確かなことなんです・・・ただ
しっかりと、これらの制度自体が、世の中に浸透するためには
まだまだ、超えなければならない課題がたくさんあるようですね…

何たって、「まだまだ、そこらへんの若者には負けとらん!」という
方々が、対象ですから…これらの制度の趣旨を
しっかりと理解していただくことが、ひと苦労なんですよね…


確かに、移行型任意後見契約は、大きな落とし穴が存在します。
それは、後見人就任予定者が後見申立の必要が生じたにもかかわらず
然るべき申立手続きを行わずに
ご本人の行為、判断能力が衰えたことをいいことに
その前の段階の財産管理等委任契約を恣意的に引き延ばして
ご本人の大事な財産を私的に流用してしまう…
実際にある士業に携わる者が、この様な事件を引き起こし
職業成年後見人の社会的信用を大きく失墜させた
悲しい事件も起こりましたよね…。

「包括的に誰かに全部を任せちゃう」は…やはり避けるべきでしょうね。
もし、どうしても包括的にお任せするのなら
必ず、監督人のような中立的立場の方を真ん中に置いて
しっかりと、ご自分の財産管理の推移を見守る必要があります!!
(ちゃんと、契約書にも監督人選任についての条項を設けるべきです。)

反面、成年補助制度はというと…
任意後見契約に比べて
結構かゆいところに手が届く、お勧めの制度であると思います。

☆補助人選任に家庭裁判所が関与する

☆本人の任意的意志または、同意に基づきますから鑑定を要しない。

☆代理権の範囲が、制約的なので補助人の恣意的行為を制御できる
(代理権は、民法第13条(保佐人の同意を要する行為)の一部に限定。)

☆補助人に同意権・取消権が与えることもできるので
ご本人がうっかり不必要な法律行為を行っても
事後的にその行為を
取消してもらえて
原状に回復させることができる。

☆いつでも補助の取り消しを家庭裁判所へ申立てることができる。

☆補助人への権限付与が限定的なのでご本人に説明しやすい。

こんなふうに申し上げると…
何だか任意後見契約は全然ダメではないか?と…
いえ!いえ!そういうことではないのです。
任意後見契約のメリットは、
何たって「ぶ厚い人的信頼関係の構築のたまもの」であるということです。
「見守り契約の履行」から始まり、果ては「死後の事務処理」まで
まさに人生の最終章を共同で完成させていく
かけがえのないパートナー…といったらオーバーでしょうが
代替えのきかない頼もしい存在。
だからこそ生じやすくなる…油断と甘え。

ご本人と、その意思を受けてご本人をサポートする方との間に
常に成年後見業務についての当事者意識に対する自覚と
一定の緊張感が存在すれば
あらゆる危険を回避することができるのです。

そこで…
3)成年後見人などの選定は、できるだけ専門家にお任せ下さい!
現在、成年後見人などに選任されている方々の大半が
親族で占められています。
やはり、信頼できる身近な方に財産管理などを任せることは
とても大事なことであると思います。
第三者に頼むとそれなりの費用もかかりますよね…。
しかし…この割合は、年々減少傾向にあります。

世の中は、どんどん複雑になってきています…。
なんでもかんでも契約、契約!
契約…すなわち法律行為には
時に大きな落とし穴が、待ち受けていたりもします。
高齢者をねらった消費者被害はあとを絶ちません…。
リフォーム詐欺に遭い、全てを失った方々もいらっしゃる…。
何とか被害に遭う前にそれらの危険を回避できないものか?
年齢を重ね老いていけばいくほどそれらの危険は増大していきます。
さらに
特定の親族にあらゆる事柄を包括的に任せていると
先ほどお話ししたとおり
その親族が、油断と甘えから大事な財産を好き勝手に消費したり
隠蔽してしまったり…というような事態も生じうるし
いずれ相続が発生した際に
相続人間に修復できない信頼関係の破壊が待っている…
ごくごくまれなケースです…しかし、皆無でないということを
しっかりと認識しておくことが大事です。


ですから、今のうちに法律行為に明るい専門家を身近に置くことを
強く!お勧めおすすめするのです。
冷静にそして、客観的な判断をしてくれる人が
是非身近に必要な世の中なのです。

ただ、成年後見人などの責務は
ご本人の財産管理、身上監護です。
いいですか?身上監護です。

身上介護ではありません。

ご本人が行う各種の法律行為を
法律実務家の立場からサポートさせていただき
財産管理、身上監護を図っていくわけです。

事実行為のサポートは含まれません。

しかし、事実行為のサポートをする方々との
連携は、とてもとても大事なことです。
ですから、もし第三者に成年後見人などになってもらったとしても
普段ご本人のそばで、様々なお世話をされている
ご親族との連携を保ち
ご本人にとっての「最善の利益」
みんなで輪になって、考えていくということ…
第三者に任せたら家族は蚊帳の外…そうじゃないんですよ!!
どんどんご本人をそして、ご本人の自己決定の尊重を守るために

信頼の輪が大きくなっていくということなんです!

しかし、やはりまだまだ時間がかかりますね…
この制度が一般化するのは。
945件・・・私のお勧めする成年補助の申立件数です。
平成17年4月から平成18年3月までの統計です。
前年度が784件でしたから、かなりの伸びはありましたが…
それでも・・・成年後見の申立17、910件(前年度14、532件)
に比べれば、微々たるものですよね。
ちなみに、
成年後見業務に携わる職業成年後見人のトップは…

司法書士なんです!

ついで弁護士、社会福祉士…
まだまだですが、確実に増加している成年後見業務に対する
社会的ニーズに確実に呼応し
さらにその対応に幅を持たせていくこと…責任重大ですが
司法書士の今後の努力如何にかかってますよね!
各専門分野の先生方との連携を通じて
先ほど申し上げた、「信頼の輪」へのご理解を
どんどん深めていただけるように
頑張っていきます!!

今日のおさらい
1)後見制度に対する偏見をなくしましょう!!
昔のような閉鎖的な制度ではありません!
変なたとえですが、破産手続きだって、昔と大きく変わりましたよ!
世の中が変わっていけば、法律だってそれに反応するものです。
ですから、人の意識もどんどん良い方向へ変化させなきゃね!

2)黙っていても始まりません。積極的に知ろうとして下さい!
前向きな姿勢で、全てにおいてご自分で責任をもって選択して下さい。
国や行政にも、どしどし積極的に働きかけてみましょう!

打てば、必ず響いてきます!
たった一人で、孤独に歩むものではありません!人生は。

3)今度、暇を見つけて成年後見についてのお話を聞いてみてください。
成年後見センター・リーガルサポートでも
各種の無料相談を開催しています。
当事務所でもメールなどによる無料相談は、随時受け付けておりますし
今後、成年後見については、色々と
僕なりのアプローチを試みるつもりでいます。
何か良いご提案があれば、お気軽にご連絡下さいね!

4)「まだまだ、そこらへんの若者には負けとらん!」という方々へ
そう思っている間に是非ご検討を!!
成年補助制度がおすすめです。

時間をかけ、じっくり取り組むならば、任意後見契約も大変有効です!!
ただ、
丸投げは厳禁ですよ!!
できるだけ、制約的に…そして、必ず中立的な方を交えて
監督体制をきちんと整えておきましょう!!

5)身近に信頼のおける法務の専門家を置いてください。
司法書士でも弁護士でもいいです。
税理士さんは、税務会計の専門家ですから
できれば、成年後見制度を正しくそして、わかりやすく説明ができ
しかもその人その人の事情に応じて
的確なアドバイスをしてくれる専門家…
総合的に考えればやはり
司法書士が一番バランスが取れたポジションにあると思います。

僕も司法書士の端くれです。

何なりと、お気軽にご相談下さいね。
あなたとは、いつもつながっています…

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